音楽で理想的に恥をかく。①

 

先日初めてドラマー一人でのライブをしました。

内容はFree Improvisationという完全即興演奏でした。

僕の場合、赤ちゃんがおもちゃの太鼓を叩いていることがヒントになっています。

赤ちゃんの無知で無謀で恥じらいもなく、ただただ音を鳴らすだけ、楽しいだけの姿勢に感動したわけです。

ライブでは賛否両論は覚悟して、ただ我を忘れて演奏しました。

ただただ、心から楽しかったです。平成最後にいままでで一番良い演奏ができたと自負しています。

ほとんどのお客さんは否定的で、一方、絶賛の声もあって死ぬほど嬉しかったです。

気づいた点も多くありました。

いままでに演奏内容でその人そのものに否定的になっていた過去が僕にはあります。

あいつは上手いだの、下手だの、グルーヴがどうだのと。

しかし今回一人でステージに立ち賛否両論を受けて、

演奏内容や価値観がどうであれその人のやりたいことにケチをつけることはできない。と思いました。

その人が好きでやってる演奏、好きで聴いてる音楽を否定する権利は誰にもないです。

当然音楽の価値観の違い、好き嫌いはありますが。

 

その日の対バン相手はみんなバンドスタイルだったのですがどれも素晴らしくて、音楽が好きでステージに立っているという熱気に溢れていました。

僕も元々は高校バンドあがりなので、その熱気を知っているはずなのですが、フュージョン好きが裏目に出たのか、当時は上手いか下手かでしか判断できないでいました。

しかし上京し実際に東京で上手い人をたくさん見て思ったのは上手い=音楽ではないということ。

それにここ数年うんざりしていた僕はそれに対するアンチテーゼの意味もあり即興演奏にたどり着きました。

人が好きなものを正直に表現しているとき、それは自信に満ち溢れていて輝いているものだと思うのです。

 

(続く)

 

平成最後の僕のライブ音源です↓

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